TOEICでリスニングだけなかなか点数が上がらずに悩んでいる方や、リスニングができれば目標点に達するという方は多いと思います。
TOEIC600点を目標にしている方、800点以上を目標にしている方と、目標や実際の点数は様々です。
ディクテーションから音読まで、レベルごとにリスニングの勉強法も異なるので、自分に合った勉強法を実践することが大切です。
今回はTOEICのリスニングで高得点を取るための勉強法や、リスニングができない理由とそれぞれの対策方法などを解説します。
自分がなんでリスニングができないのか分からない方や、どのパートが苦手なのか明確な方もぜひ参考にしてみてください。
TOEICのリスニングで点数を上げるための勉強法を4つ紹介!
TOEICのリスニングの点数アップに有効的な勉強法には主に以下の4つがあります。
- シャドーイング
- ディクテーション
- スクリプトを活用して音読する
- リスニング問題を繰り返し解く
ではそれぞれの勉強法の効果やコツ、流れについて詳しく解説します。
シャドーイング
シャドーイングとは、英語のリスニング力を上げる効果的な勉強法です。
英語を聞きながら聞こえてきた音声のすぐ後に、真似して同じように発音します。
英語の音声を聞くことと発音することを同時に行うので、始めは難しくなかなかできません。
しかし、ひたすら繰り返すことで確実にリスニング力は身につきます。
シャドーイングをする際に一番気をつけることは、聞こえてきた英語と同じ発音やイントネーション・スピードで発音することです。
リスニングの早さにも慣れることで、本番でも早すぎてついて行けないという問題を改善できます。
また、自分なりの発音を繰り返していると、実際に音声を聞いたときに想像と違う発音により分からなくなってしまいます。
間違えたシャドーイングのやり方はしないように注意が必要です。
シャドーイングの流れ
- 英語の文章を見ないで音声を最初から最後まで聞き、内容をざっくり把握する
- 英語の文章を見ないで音声だけを聞き、シャドーイングする
- 英語の文章を見ながら音声を聞き、分からなかった単語や文法を確認する
- 分からなかった箇所をなくした上で、もう一度シャドーイングをする
シャドーイングは、何回も繰り返して行うことが大切です。
リスニング力に加えて単語力や文法力、語順把握にも効果的です。
ディクテーション
ディクテーションとは、英語の音声を聞いて、聞き取った英語をそのまま書き取る勉強法です。
英語を書き取るため、とても集中して英語の音声を聞く必要があります。
また、その分正確な発音や何が聞き取れないか、明確に把握することができます。
ディクテーションをする際は初めは一気に進めるのではなく、一文ずつから始めていくようにしましょう。
一単語から始めると、簡単すぎてあまり身につかないことや時間がかかりすぎてしまうことがあるので気をつけましょう。
書き取る際は、何度も音声を聞いてできる限り書き取る英語を増やすことも重要です。
ディクテーションの流れ
- 英語の音声を最初から最後まで聞き、内容をざっくり把握する
- 音声を一文ずつ止めながら聞き取った英語を書き取る
- 全文の書き取りが終わったらもう一度音声を聞く
- 英語の文章を見ながら自分の書き取った英語を確認する
- 聞き取れない箇所がなぜ聞き取れなかったのか考え、知らない単語は確認する
- 発音が難しくて聞き取れなかった箇所は同じように発音してみる
- もう一度ディクテーションをする
ディクテーションは難しく、集中力や時間も必要な学習法です。
おこなう際は、自分のレベルに合った難易度のテキストを選ぶことが大切です。
スクリプトを活用して音読する
英語のリスニング力を上げるには、音読がとても大切になります。
音読であれば、音声を聞けないときでも気軽にできるので、普段の勉強から取り入れるようにしましょう。
音声を文字おこししたスクリプトを見ながら音読をし、途中で分からない単語があれば意味を調べながら進めることが必要です。
音読の際も正しい発音を意識しながら行うことが重要
発音が分からない単語は印を付けて、正しい発音を音声で聞くようにしましょう。
合わせて日本語訳も読んでおくと、正確に文章を把握できるので、英単語の意味と発音を繋げやすくなりますよ。
音声なしで音読することで、発音をより覚えておく必要があります。
最終確認として音読をすること、どの単語の発音が曖昧なのかをはっきりさせることができます。
スクリプトを上手く活用して音読に取り組みましょう。
リスニング問題を繰り返し解く
学んだことを定着させるには何回も同じ問題を繰り返すことが大切です。
一度できたら他の問題にうつるのではなく、復習を重ねて間違うことや分からない部分をしっかりなくしましょう。
間違えたところは丁寧に見直して、なぜ間違えたのか、原因を明確にすることが必要です。
万全の状態になったら新しい問題に取りかかるようにしましょう。
こうすることで、頻出単語やリスニングの流れやコツ、やりやすい方法も分かるようになります。
リスニング力を上げるには多聴も効果的なので、復習を怠らずに様々な問題の音声を聞くこともおすすめです。
TOEICのリスニングの構成と構成ごとの対策を紹介!
TOEICのリスニングは主に以下の4つの問題で構成されています。
- Part1 写真描写問題 6問
- Part2 応答問題 25問
- Part3 会話問題 39問
- Part4 説明文問題 30問
ではそれぞれの問題の特徴と対策について細かく説明します。
自分の苦手なパートが分かっている方もぜひ参考にしてみてください。
Part1 写真描写問題 6問
写真描写問では、問題用紙に写真が載っていて、その写真について正しく説明している選択肢を選ぶというものです。
写真は1問につき1枚用意されていて、選択肢は載っておらず音声のみで流れるので、注意して選択肢を聞き取ることが重要です。
写真描写問題は他のパートに比べて簡単なので、いかに点数を落とさないかが大切になります。
また、選択肢もそこまで長い文ではないので、リスニング力も必要ですが、単語力が重要です。
語順を意識しながら聞き取ることで、正解の選択肢も分かりやすくなるでしょう。
先に写真に目を通して状況を把握する
写真描写問題では、できるだけ多くの写真を事前に見ておいて、状況を把握しておくことがカギとなります。
問題が始まる前の時間や、問題と問題の間の時間を無駄にせず、次の写真を見るようにしましょう。
写真では人がうつっていることが多いので、下記の点に注目してみておきましょう。
- どんな人が何をしているのか
- 何人いるのか
- 周りには何があるか
聞き取れない単語があっても、ずっと考えるのではなくすぐに次の問題に移ることも大切なので意識しましょう。
写真の状況だけでなく、選択肢の文もなんとなくイメージしておくとなお解きやすくなります。
Part2 応答問題 25問
応答問題では、設問や選択肢は何も載っていないので、先読みする必要はありません。
その分音声にしっかりと集中して解くことが必要です。
応答問題は、1つの質問や文章が流れ、その後に3つの選択肢の英文が流れ、最初の文章に対する自然な返答を選ぶという方式です。
初めの質問や文章を聞く際に、出だしの単語に特に注意して聞くことが重要です。
応答問題では、下記の疑問詞が出ることがほとんどです。
- Where(どこで)
- What(何を)
- Who(誰が)
- When(いつ)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
リスニングではこの5W1Hを意識して確実に聞いておくことで、文章全体の意味が把握できていなくても答えを理解できます。
Part3とPart4の先読みをする
Part2では、なにも表示されていないので、先読みすることがありません。
しかし問題の前に時間があるので、その間Part3やPart4の先読みをすることが大切です。
Part1が上手くいかなかった時など、ついつい考えてしまいますが、気持ちを切り替えて次の問題でいかに点数取るか考えましょう。
Part3やPart4では、図表が使われていることも多いので全体を見て、その図表が何を示しているのか把握しておきましょう。
時間に余裕があれば、設問にも目を通して、どのような文章なのかおおまかに把握できると良いでしょう。
Part3 会話問題 39問
会話問題は、39問ありリスニング問題の中で一番問題数が多いので、ここで点を取ることで高得点にもつながります。
会話問題では、2人や3人による会話の音声を聞いて、その会話の内容に合う選択肢を選ぶ問題です。
選択肢は表示されていますが、会話は音声のみの長い文になるので、集中してしっかり聞いていないと、聞き逃してしまいがちなので気をつけましょう。
基本的に音声が流れている間は、音声に集中して選択肢に意識が取られないようにしましょう。
選択肢に注目していると、会話がどんどん進むので内容が分からなくなってしまいます。
問題に対する会話の量が多いので、聞きながら状況をイメージして整理していくことが必要です。
事前に設問と選択肢を読んで大まかな内容を把握する
会話問題では、いかに先読みできているかが重要になります。
設問だけでも読んでおくことで、何が聞かれるのか事前に把握できるので、大事な部分に集中して会話を聞くことができます。
また、設問や選択肢を読んでおくことで、会話の内容をなんとなく理解することができるので、長い会話文も分かりやすくなるでしょう。
設問も読み上げられますが、音声は気にせずに分かったらすぐに進めるようにしましょう。
また、文章題も分からない問題があれば、早めに次の問題に移りましょう
無駄に悩んで時間を費やすことは避けるということもポイントです。
Part4 説明文問題 30問
説明文問題は、会話問題と同じように、長い文章が読み上げられ、その後に設問に対する選択肢を選ぶ問題です。
会話問題と異なることは、複数人ではなく1人による説明文だということくらいなので、同じ要領で解いていけば問題ないです。
少し会話問題よりも文章内容の情報整理をはやくしていくことが必要になるので、最後まで気を抜かずに集中しましょう。
説明文問題の対策方法は会話問題と同じで、とにかく設問や選択肢に目を通しておくことがカギとなります。
先読みは習慣づけないと忘れることもあるので気をつけましょう。
空白の時間があれば、少しも無駄にしないように次の問題に目を向けて常に集中することがリスニング問題には必要です。
リスニング力を上げるには耳を英語に慣れさせることが大切
これまで、リスニング問題で高得点を取る勉強法やリスニング問題の構成と対策について紹介しました。
リスニング力を上げるには、英語に耳を慣れさせることがとても大切になってきます。
しかし、英語に耳を慣れさせるといっても、具体的に何をすれば良いのか分からない方もいると思うので、今回は以下の2つの方法を紹介します。
- 洋画や海外ドラマを字幕で観たり洋楽を聴く
- 英語学習のYouTubeを見る
ではそれぞれ説明するのでぜひ一度チェックしてみてください。
洋画や海外ドラマを字幕で観たり洋楽を聴く
普段から英語に触れるには、楽しく継続できる方法がポイントなので、自分の興味のある英語圏の作品を英語で観る、聴くことがおすすめです。
ただ観ている、聴いているのではなく、字幕や歌詞と照らし合わせながら、発音や単語の意味を理解するようにしましょう。
同じ作品を繰り返し見聞きすることで、頭にも入ってくるので、何度も復習することが大切です。
慣れてきたら字幕や歌詞を見ずに、なんていっているか聞き取るようにしましょう。
また、初めから難しい英語の作品に挑戦しても上手くいかないので、簡単そうな作品から入り、楽しく英語に触れることが大事です。
英語学習のYouTubeを見る
最近では、YouTubeで英語学習ができる動画も多いです。
YouTubeは趣味でよく見ている方や好きだという方も多いと思うので、趣味の延長線上として英語学習動画を見てみても良いでしょう。
YouTubeにあがっている動画の中には、簡単なものから難しいものまで、レベルが様々なので、自分に合った動画を見つけることもできますよ。
動画自体はそんなに長くないものも多いので、ちょっとした時間に見てみることで、日常的に英語を聞き耳に慣らすことができますよ。
リスニングができない原因と対策方法とは
リスニング問題はなかなかできるようにならない方も多いですよね。
ではなぜ点数が上がらないのか、何が原因でどうすれば良いのか、ということについて説明します。
リスニングができない原因は主に以下の2つがあります。
- 単語や文法を知らない
- 音声の早さについていけてない
ではそれぞれ詳しく説明した後、その対策法も紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
単語や文法を知らない
リスニングができない方や伸び悩んでいる方には、そもそも十分な単語や文法を覚えられていないということがあります。
単語や文法を知らないと、リスニングの音声内容が理解できず問題が解けません。
設問や選択肢の単語も分からないと、何も理解できないので、リスニング問題の勉強を始める前に、最低限の頻出単語や文法は覚えるようにしましょう。
問題を解いているうちに分からない単語が出てきた場合は、しっかり調べて意味を理解してから進めることも大切です。
TOEICを何回か受けていて伸び悩んでいるという方は、単語だけでなく、熟語や決まり文句、よく出るフレーズごと覚えておくと良いでしょう。
TOEICを初めて受けるという方も英単語や英文法の暗記は必須なので、まずそこから取り組むことが必要です。
自分に合った単語帳やアプリを見つけよう
英単語を覚える際に、たくさんの単語帳やアプリを使ってもきりがないので、自分のレベルに合った単語帳や、TOEIC頻出単語を覚えるようにしましょう。
最近では、アプリも充実しているので、単語や熟語を簡単にスマートフォンで覚えることができるのでおすすめです。
英単語を覚える際は、一緒に例文や使い方まで把握しておくことをおすすめします。
把握しておくと、どのような場面で使われるかイメージがつきやすいので、リスニング問題を聞くときも理解しやすくなりますよ。
すきま時間を利用しよう
単語や文法の勉強はすきま時間でも簡単にできるので、日々の通学時間や通勤時間、待ち時間などを有効活用すると良いでしょう。
すきま時間ではアプリを活用すると、スマートフォンだけで気軽に取り組めるのでおすすめです。
また、先ほど紹介したように、洋楽を聴くことも良いでしょう。
洋楽であればどのようなタイミングでも場所を選ばず聴くことができ、知らない単語を覚えるだけでなくリスニング力にもつながりますね。
普段の生活においてすきま時間は多いと思うので、暗記の時間も確保していきましょう。
音声の早さについて行けない
リスニングができない方には、音声についていけていないということも理由として挙げられます。
音声についていけないと、内容も理解できず聞き逃しも増えてしまうので、なかなか点数が上がらないでしょう。
音声についていけない理由には、聞こえてきた音声を頭の中で和訳していることや、発音が理解できず止まってしまうことがあります。
音声を聞いて内容を理解することは必須ですが、細かい和訳に集中しすぎると聞き逃しや遅れにつながるので避けましょう。
単語の発音を覚える
リスニングにおいて、単語の正確な発音を知っていることは大切です。
発音が分かっていれば、音声を聞いていても引っかかることがなく意味を理解しやすいですね。
リスニングでは、単語や文章の前後をくっつけて発音することもあるので、何回も英文を聞いてどのような発音になるのか把握しておくようにしましょう。
発音を覚えるには多聴や音読が必要なので、できるだけ多くの英語の文章に触れて、正確な発音を自分にもしみこませましょう。
英語の語順通りに理解する
長文のリスニングの内容を遅れずに把握するには、いつものような和訳ではなく、英語の語順通りに理解していくことが必要です。
英語の語順と日本語の語順は、全く違うことは知っていると思います。
耳に入ってきた英語通りに理解することで、同じ早さで内容をつかむことができるので、語順を意識して音声を聞くようにしましょう。
語順通りに英語を把握することで、重要な部分もつかみやすく、設問に対する選択肢も分かりやすくなりますよ。
文末まで聞いてから訳すことがクセになっている方は、特に注意してリスニング問題に取り組みましょう。
テスト本番では聞き取れなくても進めよう
また、音声についていけてない方には、途中で分からない問題があり止まっていることがあります。
聞き取れない単語がある度に考え込んでしまうと、その次の文章もどんどん聞き逃して遅れてしまいます。
聞き逃しは致命傷にもなるため、もう分からないところは諦めて次の音声に集中することが大切です。
また、設問に対して考えすぎても、分からない問題はその場で分かるようにならないので、スピード重視で取組むようにしましょう。
1つの問題にこだわっていては、本来取れるはずだった点数も落としかねないということを頭に入れておくことが大切ですよ。
TOEIC公式アプリや公式問題集も活用しよう!
TOEICには公式アプリがあることを知らない方もいるのではないでしょうか。
TOEIC公式アプリは無料で利用することができ、本番に出てきそうな英文に慣れることやフレーズを把握することが出来ます。
リスニングの長文問題に出てきそうなフレーズも多く取り扱っており、アプリ内にはリスニングモードやクイズモードがあります。
リスニングの点数を伸ばしたい方にはぴったりのアプリとなっており、クイズにより定着できているか確認することも可能です。
TOEIC公式問題集を解くことで、TOEICの流れや時間配分を把握でき、音声も聞くことができるので確実に解いておくようにしましょう。
以下の記事では、TOEIC対策ができるオンライン英会話を紹介しているので興味のある方はこちらも見てみてください。
TOEIC対策に効果のあるオンライン英会話おすすめ11選を紹介!【2024最新】
まとめ
今回はTOEICのリスニングで高得点を取るための勉強方法を紹介しました。
リスニングを習得する際には、繰り返し行い定着させることがポイントです。
また、シャドーイングやディクテーションを活用することもおすすめです。
シャドーイングのやり方は以下の通りです。
- 英語の文章を見ないで音声を最初から最後まで聞き、内容をざっくり把握する
- 英語の文章を見ないで音声だけを聞き、シャドーイングする
- 英語の文章を見ながら音声を聞き、分からなかった単語や文法を確認する
- 分からなかった箇所をなくした上で、もう一度シャドーイングをする
ディクテーションのやり方は、以下の通りです。
- 英語の音声を最初から最後まで聞き、内容をざっくり把握する
- 音声を一文ずつ止めながら聞き取った英語を書き取る
- 全文の書き取りが終わったらもう一度音声を聞く
- 英語の文章を見ながら自分の書き取った英語を確認する
- 聞き取れない箇所がなぜ聞き取れなかったのか考え、知らない単語は確認する
- 発音が難しくて聞き取れなかった箇所は同じように発音してみる
- もう一度ディクテーションをする
なお、どちらもやり方を間違えてしまうと効果を得ることができません。
実施する際には、必ず正しいやり方でおこないましょう。
この記事を参考にリスニング力を上げて、次のTOEICリスニングでは高得点を目指しましょう。